いろいろな”幸せ”(夕張)


四月にバイクを引っ張り出したものの、今年はゴールデンウィークまでスキーを してたため、街乗りでは乗っていたものの、なかなか自分の中で本格的なツーリ ングモードに切り替わっていませんでした。
これじゃイカンということで、まずは手近なところから行ってみる事にしました。

最初のツーリング
5月25日晴れ、例年であればGWには1回目のツーリングに行くところが、もう 5月の末。
去年はこの時期にツーリングに行って以降、天候に恵まれずに結局1回しかまともに 走る事が出来なかった。
 
さて今回の目的地は、メロンと炭坑の街、夕張。
実は北海道に来て最初のツーリングは夕張で、バイクでは二年越しの訪問になります。
初めて訪れた時は、まだ炭坑街のひなびた古い住宅も立ち並び、石炭産業の終焉を 感じさせるものでした。
それからどれだけ復活して来ているのか。
 
これがあの有名な川
ルート的には、R274を東進し、途中で道道3号に乗り換え、ひたすら走るだけ です。時間的には2時間あれば余裕の距離です。
道中、由仁町と言う街を通りますが、ここに某番組でも紹介された知る人ぞ知る川 ”ヤリキレナイ川”が流れています。
実は3年前に初めてここを走った時にも、フッと視界に入った文字を走りながら思い 返し”え?!マジ?”と思ってわざわざUターンまでして確認した覚えがあります。
当然アイヌ語が語源なのですが、意味は諸説ありますが”魚が採れない川”というのが 通説の様です。たしかに、川で魚が採れなかったら”やりきれない”気持ちになりま すよねぇ...え?だから違うって?(^^)
 
そのまま由仁町に向かう途中。また気になる看板を見つけました。
そこには”栗山炭坑”の文字が...
たぶん廃坑となったと思われますが、当時の雰囲気でも残っていればと思い寄道。
細い農道の様なところを走りっていくと、途中から鎖で閉じられ、立ち入り禁止に なってました。
そこの看板には”私有地につき立ち入り禁止”の文字が..
仕方なしに引き返すと、前から1台のRV車が来て運転手が手を振っている。
車の横に停め、運転手のおじさんが”ウチに用?”って聞かれました。
素直に”いや、栗山炭坑の文字を見たので、どんなところか見に来ただけです”と 答えたところ、どうやら私有地とは、そのおじさんの土地だそうです。
なんでも、元々は北炭角田炭坑という鉱山で、昭和45年に閉山したそうです。
そのアトそのおじさんが、買い上げて今でも少量ながら採炭しているそうです。 土日でもアルバイト作業員が出入りする事もある為、どうやら私をバイトと間違えた そうです。(笑)
とりあえずは、お礼を言ってその場を去りましたが、お願いして見学させてもらうんだ ったとチョット後悔しました。バイトもイイかな?(^^)
 
 
あの有名な”幸せ”な場所
道中のコンビニで昼食のオニギリとお茶を買い、夕張市に入った。
時計を見ると11時40分位だったので、どこか見晴らしのいいところで 食事をしようと思い、最初に立ち寄ったのは”幸せの黄色いハンカチ公園”。
 
あの”不器用な男”の代名詞ともいえる、高倉健主演の映画「幸せの黄色い ハンカチ」のラストシーンのロケ現場が、そのまま残されている所です。
映画の放映自体は1977年の物なので、全てを見たことは無いのですが ラストシーンだけは、再放送か何かで見た覚えが有りました。
 
公園には当時の建物と建物の中には、映画の説明のパネルとロケのセット あと物語中に使用していた自動車が展示してあります。
展示室のモニターには、映画の予告編とクライマックスの映像が流れています。
 
映像の中には、当時まだ炭鉱町として栄えていた夕張の町並みが映っています。
映っている場所が、現在のどこになるのか検討もつきませんが、現在にはない 活気がモニターから覗えました。
 
建物の外の物干し場には、黄色いハンカチが当時と同じように飾られ、心地よい 風になびいていました。
 
 
2年ぶりにこの場所来たんですが、その時も今回も結構人が訪れてきます。 かといって展示室が一杯になるような人ごみになるような事は無いのですが 一組帰っては、次の一組が来るような感じで、常に公園には4〜5組くらいの 観光客が居るような感じです。
また展示室内には、ここの”幸せ”にあやかろうと、黄色い紙に願い事を書いて 貼ってゆくカップルも多く、そういう意味ではマイナーながらも根強い人気を 保っていくんでしょう。
ただ、貼っている紙の中に”宝くじ1億円があたりますように”と書いているの を見たときは、笑い、そして”これも幸せの一つだわなぁ”と変に納得してしま いました。
ただ明らかに場違いな事には違いないですね。(笑)
 
展示を見たあと公園のベンチで昼食を摂り、出発。
 
公園のある場所から山の手を見ると、今ではもうスッカリ数が少なくなってきた 炭鉱住宅が幾つか点在していたので、ちょっと立ち寄った。
 
2000年初めて夕張に来た時に、石炭の歴史村のある場所にも、相当数の炭鉱 住宅が残っていましたが、私が行ったすぐ後に、全面的に取り壊されたので、今 では数少ない、炭鉱住宅なのでしょう。
でもココは今でも生活されているので、当時廃墟同然であった炭鉱住宅のイメージ とは全く違い、生活感を感じられました。
 
もうひとつの目的
今回夕張に行った一つの理由として、夕張にあるバイクとキャンプ用品店 「快速旅團 」 に行く事でした。
このお店は、基本的にキャンプ用品を扱っていますが、コンセプト的にはバイクや 自転車での旅を前提とした、軽量で機能的な商品と取り扱っていて、一度立ち寄りたい と思っていました。
店はコジンマリとしていて、店内にはカウンターがありそこでコーヒーや軽い食事が 出来るようです。
 
店内を一通り見て、せっかくだったので、「快速旅團特製 日本手ぬぐい」を1つ 買いました。これで、温泉で幸せなひとときが過ごせそうです。(笑)
店を出た所で、店長さんが声を掛けてきて「このお店に立ち寄ってきて下さった方々の 写真を撮っているのでお願いします」との事だったので、1枚撮って頂きました。
 
店を出て、夕張市の奥に向かう。
 
映画の街をめざして
さっきの「黄色いハンカチ」にも描かれているように、夕張は日本有数の”炭鉱の街” でした。
しかし、石炭産業の凋落と共に、日本中の炭鉱街は寂れていっています。
夕張も例外ではなく、私が初めてこの街に来た時も、特に目立った産業も見当たらず その後、石炭産業をテーマにした”石炭の歴史村”や、スキーリゾートを見込んだ マウント・レースイを運営するも、いまいちニセコや富良野の様なブランドが定着せず 頼みの観光産業もそれ程活気づいているの様にも見えませんでした。
 
そんな中、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」というイベントが、近年非常に 活気付いているようで、ここ数年では相当大きく世界的にも注目されて来たようです。
夕張の街も、そんな新たな”町興し”に見合った動きが見られます。
街の商店街には、昔の名画の看板が色々と掲げられ、映画をあまり見ない私でも知って いる様な有名な映画の当時の看板を見ることが出来ます。
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭は、市民の自発的な活動から生まれたイベント らしく、お仕着せのテーマパークやリゾート開発とは、市民の皆さんの熱意がまるで 違う様で”町興し”と言う安っぽい言葉を当てはめるのが失礼のようです。
 

石炭の歴史村の上に新しい建物が有りました。
そこは、私が最初に夕張に訪れた時に、廃墟のような炭鉱住宅が有った場所です。
そこが今ではスッカリ綺麗に整備されて、””という夕張と映画の資料館になっていました。
訪れる人は少なかったのですが、これから”映画の街”として定着すれば、にぎわって 行く事でしょう。
 
その資料館の前にパトカーとSUZUKIカタナが停まっていたので、よく見ると”西部警察”で 使用していた物だそうです。
なんでそれがココに有るのかと言うと、”西部警察”の最終回って夕張で撮影されたんだ そうです。
しかも夕張市長もドラマに登場したとか。(^^)
 
最近では”ぽっぽや”や”北の国から”等、昔から北海道は色々な映画の舞台になっています。 それはやはり、”北海道で無ければ表現できない”ナニかがあるのでしょうかね。
 
夕張市には”炭鉱の街”と言うイメージから”映画と文化の街”となって、ヨーロッパの 品のいい郊外の街の様なイメージになって欲しいものです。
 
やはり夕張と言えば!
ちょっと持ち上げすぎた所(笑)もありますが、映画の資料館を見た後、さてどうしたものか とマップを広げて戻る道順を考えた。
 
そうすると、ちょうどこの先に”夕張めろん城”と言うものがある。
そうそう、あの赤肉のメロンを見ると誰でも”夕張メロンでしょ?”と言うくらい赤肉メロン =夕張メロンと言うイメージが定着してますね。
今日は天気もよく、ちょっと暑い位なので、夕張メロン城で冷たいデザートでも探すことに しました。
 
この夕張メロン城、正式名称は夕張市農産物処理加工センターで、メロンを使った製品の 開発と製造を行っている様です。
まあ果物ではありきたりのワインやお菓子が多いですね。
そして売店を覗くと..ありました「夕張メロンシャーベット」
早速買って食べる事に..う〜んメロン特有の甘い香りと冷たくてスッキリした甘さが、暑くて ぼぉ〜としかけていた頭を冷やすのに丁度イイ感じでした。 あ〜幸せ...(^○^)
 
シャーベットを食べちょっと休憩したら、そろそろ帰路につく事に。
 
そのまま山を登っていくと丁未風致公園という、大きな公園があります。
ここも前に来たのですが、広くてキャンプやバーベキューもできるのですが、山の上の割には 眺望もイマイチパッとしないところもあり、チョットマイナーな公園です。
 
そのまま栗沢町を抜けるルートに入り、途中満開のリンゴ畑の中を通り、栗沢町−南幌町−江別市を 通り帰ってきました。
 
シーズン最初のツーリングだったので、距離も少々短めで特に新しい物も見つけなかったけど、 天気には恵まれて気持ちよく走る事が出来ました。
さあ今シーズンは何回走れるかな?

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