初めての林道
(厚真川林道−鵡川町)


北海道に移住して、今のDjebelを買って早半年。 遅い春から、短い夏を通り抜け、気がつけばもう11月....
北海道では雪の為、冬場はバイクに乗れません。
その為雪に閉ざされている間、バイク屋さんに有料でバイクを保管して もらう「冬期預かり」をお願いする事になります。
そして、その預け入れの時期がだいたいこの11月だそうです。
なので晩秋の北海道へ、今年いや今世紀の最後(大袈裟?)のツーリング に行く事にしました。

とりあえず晴天である。
11月4日土曜日。晴天。
あいも変わらずの「行き当たりばったりツーリング」なので、とりあえず ウエストバックに小物を詰め込み、マップケースを片手に駐車場へ。
暖機運転をしてる間に、行き先を考える。
こっちに来てから、車やバイクで色々行った。なので、日帰りで行ける所と なるとおのずと限られてしまう。
ニセコも行ったし、洞爺湖の方も行った。富良野はチト遠い...アト残るは、 日高方面か....
そして地図を見ると、「厚真川林道」の文字が、そしてその横には「走り易い ダート19.5km」と書いてある。
実は「せっかく北海道に来たんならオフ車でしょう」と言ってDjebelを買ってお きながら、情けない事にまだ本格的に林道を走った事無いんですよ。(^_^;)
 
と言う事で、今世紀最後(シツコイ)のツーリングは「初めての林道ツーリング」 と言う事になりました。
 
家を出発しR274を夕張方面へ東に向う、札幌市を抜け長沼のマオイの丘公園 まで、しばらくは真っ直ぐな直線道路。
周りのほとんどの畑では収穫が終わり、道すがら「直売店」が軒を連ねる。
道の駅「マオイの丘」で休憩。と普段なら休憩Pointだったが、快調に来れたので そのまま通り過ぎる、そのまま山間に入ると眼前に黄金色に輝くカラ松林。
KOUYO 北海道では11月ともなると、紅葉はほとんど終わってしまいます。
しかし今年は紅葉の時期が少し遅く、山間に入ると辛うじて紅葉が 残ってます。
晩秋の北海道では、カラ松林が見事な紅葉を見せてくれます。
 
紅葉を眺めながら、R274をひたすら東へ....
 
夕張市に入りしばらく走ると”滝ノ上公園”に到着。小休止をとる。 ここは紅葉でも有名な場所ですが、既にほとんどの木々の紅葉は 散ってしまい、少々さみしくなってました。
 
ここの売店で昼飯用の”マツタケおむすび”とお茶を買って、いよいよ ここからが今回のツーリングのメインとなる”厚真川林道”へと突入 となります。
 
いよいよ突入!!
ENTRANCE 最初に”林道未経験”とは書きましたが、多少のダート走行の経験は ありますし、MTBでもダートコースでの走行経験はあります。
 
しかし本格的な林道は今回がはじめて、ガイドの”走りやすい”の文字 を信じていざ出発。
たしかにガイドの通り広くてフラットなダートで初心者の私でもいたって 走りやすい。
と思ったら、山が近づいてきた途端、シングルトラックに.... しかも所々ぬかるんでいる所もある。
なにせコッチに来て初めてオフ車に乗りはじめたものだから、オフ用の 装備なんて持ってないから、普通のトレッキングシューズと雨ガッパの 下みたいなオーバーパンツだけ....
水溜りには、かなりスピードを落として通過したものの、よもやあれだけ 泥が跳ねるとは思いもよりませんでした...(^^;)
本格的でなくてもオフロードブーツやパンツくらいは必要かなぁ
 
しかしこの林道(だけじゃないかもしれませんが)やけに支道が多い。
GPSを見ながら道を確認して走る。
しばらく走ると、厚真川の支流の源流部(?)にさしかかったので、ここで 昼食をとることにする。
地面が湿っていたので、バイクにこしかけたまま、おにぎりをほおばった。
 
森の中で佇む...
FOREST まったく人の気配がしない山の中。秋の空気は澄みわたり、風が吹くと 木々がざわめき、落ち葉が舞う。
久しぶりにゆっくりできる空間に身を置いたような気がした。
そうそう、こういう事したかったから北海道に移住したんだよなぁ...
 
関西に住んでいた頃から、よく山には行った。
そしてこのような晩秋の山で佇んだ事もある。しかしその時とはなにか違う 何が違うのか分からないが、良い気分だ。
普段なら「さあ次々」と何かじっとしていられない様な、移動する事を目的と したようなツーリングばかりだが、今回はなぜかこの場所に居たがった。
とは言っても帰らないといけないわけで、しかもこの時期、日が暮れるのも 滅法早い。
大きく深呼吸をして、なんとなくおじぎをして出発する。
 
この時点で既に林道の約半分の行程を走った事になる。
峠も越えているので、あとは川沿いに下っていくだけとなる。
SYOROMA 道を下っていくと道路工事を行なっている現場に出くわす。
パワーシャベルが林道の道を塞いでいたが、警備のオジさんが指示して くれたので無事通過。
しかし工事の内容を見た所林道の拡幅の様だった。ゆくゆくは自動車でも 快適に走れてしまう道にしてしまうんだろうか。
どうもこの国は、道を作ると最終的には自動車を通さないと気が済まないらしい。
それ程交通量が増えるとも思えないこの林道、私みたいな物好きしか走らない んだから、このまま放って欲しいものです。
工事現場を過ぎると、工事車両が使っているからか、かなり路面は締まり走り 易い。
ほぼ山も下って来た所で、「ショロマの滝 200m」という小さな看板があった。
地形から見ても大きな滝が有りそうにはないけど、どうせ来たのだから見過ごす 手はないと思い、バイクを降り遊歩道を歩く。
落ち葉が幾重にも積み重なり、フカフカとした紅葉の絨毯が敷かれたような道を 歩くとすぐに着いた。
予想通りと言えば失礼だが、遊歩道の林がひらけた所にある、なんとも可愛ら しい滝だった。「ショロマ」と言う言葉は、まず間違い無くアイヌ語なんだろうけど 意味が分からない。一度調べてみたい。
 
さて滝を後にすると、すぐに初の林道体験は終わりを告げた。
林道の終わりで後ろを振り返ると、やはりカラマツの紅葉が見送ってくれた。 初めての林道ツーリングは、かなり私を良い気持ちにしてくれた。
この時本当に「オフ車にして良かった」と思った。
 
ホンモノを求め..
さて、ここからは番外編的な内容になります。(^_^;)
林道を抜けた私は、再び地図を見る。
はっきり言ってこのまま帰っても良いのだが、なにか近くに面白そうな所は無いかと 探す。
なにせ昼飯がおにぎり2つだけだったので、少々腹も減った。
 
厚真町から南に下ると、鵡川町がある。ガイドには「シシャモが有名」と書いてある。
これはもう決まりである。(笑)
 
SHOP 一気にシシャモじゃない、鵡川町を目指しひた走る。
鵡川町は居酒屋でおなじみのシシャモの産地だそうです。
しかし以前話しには聞いていたが、普段食べているシシャモは本当のシシャモじゃ ないんだそう。
せっかくなので、本物のシシャモのお姿という物を拝見させてもらおうじゃありません か。
 
鵡川町に着き、駅前通に入るなりシシャモの直売店を見つけたので、さっそく入る と言うより、目の前に所狭しとシシャモが干されている。
その沢山のシシャモの姿を見ると一目瞭然。今まで食べてたシシャモとは明らかに 違う。
普段みなさんの食べてるシシャモって青魚っぽくありません?
本物のシシャモって背中がほんのりピンク色なんですよ。これにはビックリしました。 残念ながらその店では、焼いたシシャモは売ってなかったので、1串(10匹)買って 今日の晩酌のお供にする。
 
駅前通からR235に出ると、再び直売店があった。
小腹が空いていたので、なにかあるかなと思い立ち寄ると、大きな鍋から湯気が 立上っている。
SISYAMO 体も冷えたしちょうど良いやとバイクを止め近寄ると、何も言ってないのに「ハイ!」と お椀とお箸が手渡された。
「こらまた強引な売り込みやなぁ」と思いきや、どうやら無料らしい。
これは嬉しい誤算だった。
「シシャモ鍋」と称される鍋の中には、シシャモが丸ごととサケの切り身がゴロゴロ 入った味噌汁の様な物だった。
早速頂くと、冷えた体には本当にありがたい温かさ。普段なら少々塩がキツイ気も するが疲れているのでこれもちょうど良い。
しかし、シシャモって普段焼く事しかしないけど、こういう食べ方も有りなんだと感心する。 シシャモの味も確かに普段食べている物は違う。 今まで食べてたシシャモは卵の味が目立ってたが、これは身の味もシッカリしていて 正に魚の味がする。(変な表現..)
 
シシャモ鍋で体が温まった所で、帰路につく。(すみません何も買わなくて..(^^ゞ )
ノンストップで札幌の自宅まで一気に帰り、家の近くの洗車場で泥落とし。
 
明日には「冬期預かり」で来年の雪解けまでのお別れとなる。
 
とりあえず、ありがとうとご苦労様、そして来年もヨロシク。

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