キックスクートボードに思う事


Razorに乗りだしてはや半年以上立ちます。(2000年11月1日 現在)
最近では一時期のブームは去り、もはや”まだ乗ってるの?”とか、”子供のオモチャでしょ?” という扱い。
色々なところで投げ売りに近い状態になり、今では間違いなく1万円以下で手に入れる事の 出来るシロモノとなってしまいました。
しかし、なんで若者のみならず一般的にも注目され、絶大な人気があったにもかかわらず、急速にその 人気は衰え、そして消えつつあるのでしょう?

まあ、ハッキリ言って「流行物だったから、熱が冷めればそれまで」と言ってしまえば、 それまでですが、あれだけシッカリした造りで、しかもアルミ製の本体は軽く、折り畳めば小さくなり、乗って走れば 徒歩に比べ格段に効率が良い、しかも値段も安い。(発売当初でも15000円程度)
また同じ”流行物”でも、その昔Razor以上に人気があり、社会現象にまでなった”たまごっち”と比べると、遥かに 実用的な商品であるとも言えます。
 
多少大袈裟かもしれませんが、地球温暖化に伴い問題視されている今、ようやく” クリーンな乗り物 ”として自転車が見直されています。
自転車文化では先進国の欧州では、折り畳み自転車の地位が結構高いようです。
自宅から駅まで乗っていき、畳んで社内に持ち込み、目的地に着いたら再び組み立てて走る。 また折り畳み自転車でなくても、自転車をそのまま載せられる車両もあります。
 
しかし、日本では駅前の放置自転車の問題や、自転車用のスペースを用意した電車の車両等、 インフラの整備についてはまだまだ出来ていないのが現状でしょう。
ましてや頭の固いお役人に、このような柔軟な発想が生まれるかどうかすら怪しいものです。
 
 
そんな時、Razorを東急ハンズで見た時には”これだぁー!!”って衝撃を受けましたね。(笑)
これなら小さく畳んでしまえば電車の中でも邪魔にならないし、重さも今時 のA4ノートPCとさほど変わらない程軽い。 これなら折畳み自転車より気軽に持ち運べる!!
 
今までも、Razorの様に”蹴って進む”乗り物はありましたが、どうもその造りは自転車の延長 であり、大きく、折り畳めず、重いもので、実用的とは言えなかったでしょう。
しかし、Razorはタイヤにインラインスケート等に使われる樹脂製のウィールを採用し、スケボーの様な ジャンプ等のトリックに耐えられるくらいの強度を持たせ、レジャーとして手軽に持ち運べるように軽い材質 と完成度の高い折り畳み機構を付けています。しかもデザイン的にもカッコイイ!!
 
手に入れた時は嬉しかったですね。(年甲斐もなく(^^ゞ)
最初は慣れるまでチョット苦労しましたが、慣れるとやはり思惑通り大変便利な事が実感でき ました。
 
 
しかし、やはり問題はありました。
とってもCOOL”と、 ファッション性が先走った為、一大ブームを起こしたまでは良かったのですが、”歩道で歩行者と接触し 怪我をさせる”や”地下街で乗り回す”等のマナー的な問題や、 ブームが下火になり”子供のオモチャ”的になったところでの児童の転倒によ る死亡事故という悲しい事件が発生しました。
 
”キックスケータ協会”やその他の愛好者の尽力もあり、販売中止や一般道からの排除の様な 最悪の事態には至らなかった事は幸いですが、一時期ほど街中でRazorを持つ若者を見掛け る事は無くなったように思えます。
やはりRazorもスケボーやインラインスケートの様に「慣れないと上手く乗れない物 」のだったのかもしれません。
確かにスケボー等に比べると、自転車に乗れる人ならスグに乗る事は出来るでしょう。
しかし”硬く小さくよくつまづく前輪”や”足で踏んづけて掛ける非力なブレーキ”では、自転車と 同等の安全性を実現しているとは言えない様に思えます。
おそらく、”イケテル”で買った若いオニィちゃんやオネーちゃんは、結構コケたんじゃないでしょ うか。
私も数回コケた事がありますが、かなり派手にコケます。
ヘタすりゃ大怪我します。
  
そのうち”どんな路面が危険か”分かってきて、それを避けるように走れるようになるのですが ほとんどの人は”やっぱり使えない”と思って、押し入れ行きになってるのでは?
しかし、自転車並みの安全性さえ実現できれば、ファッション性でなく移動手段としてある程度の 地位は確保できるのではないでしょうか。
 
先日、公園で孫と散歩しているおじいさんを見掛けたのですが、孫は補助輪付きの自転車に 乗り、それに付添うようにそのおじいさんはRazor(JDBUG)に乗ってました。
年の頃なら60半ばか後半くらいのおじいさんだったのですが、全く不安の無い乗り方でした。 孫の自転車に付き合うにはちょうど良かったんでしょうね。
 
今回買ったSILVERYにはそれなりに満足してますが、大きさや重量等注文を付けたいところは まだまだあります。
しかし今ある問題は、タイヤの大口径化やブレーキ機構の見直し、最低地上高を上げる等、もう一工夫して くれればクリアしそうな所まで来ています。
ブームが下火になった製品ジャンルに新たな商品開発を期待するのは、なかなか難しい事でし ょうが、”シティコミュータ”としての今後の進化 に期待したいです。
 
だからこの手の商品が市場から消えて行くのが寂しい次第です。
 
う〜ん、こんな事考えてるオジさんって私くらいなモンなのだろうか...(^_^;)  

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